造艦回想 Recollection of battleship building watercolor & pencil on Arches paper 300㎜×400㎜ 2024
造艦回想 Recollection of battleship building watercolor & pencil on Arches paper 300㎜×400㎜ 2024
『造艦回想』永村清 1957年(昭和32年)株式会社出版共同社
 海軍造船官だった永村清さんの著書を読み制作。架空の海図上をミニチュアの軍艦が航行するイメージ。左上にはポイントに襟章等に使用された造船官の識別色を入れた。
 ここ数年、近代日本の造艦とその関係先に興味を持っている。きっかけは古本市にて何となく気になり購入した1枚の古ハガキだった。絵柄を気に入り入手したのだが、ふと宛名面に注目するとイギリス出張中の海軍造船官へ宛てたドイツ滞在の人物からのものであった。100年前の日本人同士のやり取りである。手紙に記載された内容は非常に興味深い上、美しい英語の筆記体にすっかり魅了された。何とかして手紙を書いた人物の事を知りたくなった。しかし苗字と名前のイニシャルしか書かれていない。さてどうしたものか…こんな風にこの一連の謎解きにはまり込んでしまった。
 結論としては、その人物の事については完全に判明し、相手の造船官についても調べてある。今回永村さんの『造艦回想』を読んだのは、その造船官の名が本書に登場するからだった。この継続中である“研究者ごっこ”は私にとって何より楽しいものとなっている。この経過と成果はいずれ絵と文章でまとめ冊子にするつもりでいる。
パノラマの島 Panorama island W&N watercolor & Pencil on Arches paper 330㎜×350㎜ 2023
パノラマの島 Panorama island W&N watercolor & Pencil on Arches paper 330㎜×350㎜ 2023
『パノラマ島奇譚』江戸川乱歩 著 1926年(大正15年)
 パノラマを装置に見立て、不思議な世界を絵でしか描けない、実際には制作できない建造物として表現した。

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